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2020.08.14

8月の旬~野菜編~『パプリカ』

猛暑が続いていますが、体調は崩されていませんか?

食欲が落ちてしまいがちな時期ですが、パプリカの鮮やかな色は食欲を増進させてくれますね!

パプリカは、ピーマンやトウガラシと同じ「ナス科トウガラシ属」に分類される野菜です。

つまり、ピーマンやパプリカは、辛くないとうがらしの仲間ということです!

成熟する前に収穫したものをピーマン、成熟してから収穫するものをカラーピーマンと呼び、

カラーピーマンの中でも肉厚で大きなベル型のものを「パプリカ」と呼ぶそうです。

ピーマンには独特の青臭い香りと苦みがありますが、パプリカは甘味と酸味がバランス良く調和しているのが特徴です。

パプリカといえば赤や黄、オレンジなどカラフルなものをイメージしますが、紫や黒、茶、白といった珍しい色のものもあります。

 

「パプリカ」はハンガリー語でとうがらしを意味する言葉だそうです!

そもそもパプリカは、大航海時代に西インド諸島からヨーロッパにもたらされたと言われており、

元々は唐辛子のように辛味のあるものだったようです。

その後、16世紀にハンガリーで辛味のないタイプへ品種改良されたものがパプリカです。

パプリカは、ハンガリーの料理に欠かせないといわれています。

 

牛肉とニンジン、玉ねぎ、じゃがいもを粉末状のパプリカや香辛料で煮込んだ「グヤーシュ」はハンガリー料理の定番です。

見た目は赤色をしていますが、これはパプリカパウダーによるもので、旨味たっぷりのスープです。

パプリカパウダーは日本でも使われてますが、パプリカを乾燥させて、初めて香辛料にしたのは、

実はハンガリーなんです!

ハンガリーでは、パプリカパウダーは毎日の料理に欠かせない香辛料です。

日本でいう醤油のような調味料として使用されています。

ハンガリーのレストランでは、塩コショウの代わりに、塩パプリカのセットがテーブルの上に置いてあることも多いそうです。

ポルトガルでも、パプリカを発酵して作る「マッサ」という伝統調味料が様々な料理に使われています。

ポルトガルの家庭には必ずと言っていいほど常備されている発酵調味料で、発酵熟成した深い旨味があり、

料理の美味しさがより引き立ちます。

発酵には1か月ほどかかりますが、パプリカと塩さえあれば簡単に作ることができ、

どんな料理にも合わせられる万能調味料なんです!

 

このように、パプリカは様々な形で世界各国で食べられています。

それでは、パプリカの栄養面にも注目してみましょう!

パプリカは「ビタミンACE(エース)」と呼ばれる、ビタミンA・C・Eを含んでいます。

その他にも、カロテンや食物繊維、鉄分、カリウム、ピラジンなどを豊富に含んでいます。

ここでクイズです?
Q.下の3つの食品の中で、100gあたりのビタミンC量が1番多いのはどれでしょう?

a.レモン
b.パプリカ
c.トマト

正解は…
b.パプリカです!
100gあたりに含まれるビタミンC量は、レモンで100mg、パプリカで170mg、トマトで15mgです。

実はパプリカは、ビタミンCがとっても豊富な野菜なんです‼︎

では今回は、
ビタミンC
カロテン
ピラジン

この3つの栄養素を詳しく見ていきましょう♪

ビタミンC
ピーマンにもトマトの約4倍とたくさん含まれますが、パプリカにはピーマンの約2倍以上が含まれています。

特にオレンジ色のパプリカはたった1/6個、赤色は1/3個分で、一日の必要量を摂取することが可能なのです。

ビタミンCには抗酸化作用があるため、風邪の予防や疲労の回復の効果が期待できたり、

動脈硬化の予防や老化防止に効果があると言われています。

カロテン
カロテンもビタミンC同様、ピーマンにも多いのですが、パプリカには

ピーマンの約7倍の量が含まれているようです。

カロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の細胞を正常に保つ働きがあり、

免疫力を高める効果やがん予防の効果が期待できます。

また、ビタミンAとして目の神経伝達物質となり、視力維持にも働くと言われています。

ピラジン
ピラジンはピーマンやパプリカの青臭さのもとになっている物質です。

ピーマンやパプリカに含まれるピラジンには、血小板の凝集を抑えて、血液をサラサラにし、

血栓や血液凝固を防ぐ効果があると言われています。

パプリカはピーマンと比べても、さらに栄養価が高いことがわかりますね!

 

同じパプリカでも、実は、赤色や黄色、オレンジ色などパプリカの色によって含まれている栄養素にも違いがあるのです!

赤パプリカの赤色は、「カプサンチン」という色素成分によるものです。カプサンチンは抗酸化作用が高く、

HDLコレステロールを上昇させる働きがあるため、老化や動脈硬化を予防する効果が期待できます。

β-カロテンはなんとピーマンの2倍以上含まれています。β-カロテンはカロテン同様の効果が期待できます。

 

黄パプリカの黄色は、「ゼアキサンチン」というカロテノイドの一種の色素成分によるものです。

ゼアキサンチンは目の黄斑部に存在するので、目の健康維持に効果が期待できます。

体内では合成できないので、食品からの摂取が重要です。

この他に特徴的なのは、α-カロテンの含有量です。

赤パプリカにはほぼ含まれないのに対し、黄パプリカにはピーマンの約12倍も含まれています。

α-カロテンはカロテン同様の効果が期待できます。

 

オレンジパプリカのオレンジ色は黄パプリカと同じゼアキサンチンによるものです。

オレンジパプリカは、赤と黄パプリカの栄養素がバランスよく含まれているのが特徴です。

さらに、ビタミンエースの1つであるビタミンEが豊富に含まれています。

ビタミンEは抗酸化作用が非常に強く、血管を健康に保つ効果が期待されたり、

細胞の酸化を防ぐため老化防止にも効果あると言われています。

 

一般的にビタミンCは加熱に弱いですが、パプリカは肉厚なため、加熱によるビタミンCの損失が少ないので、

炒めてもビタミンCを多く摂取することが可能です。

また、ビタミンAやEなどの脂溶性ビタミンやカロテンが豊富に含まれているので、

マリネや油炒めなど、油を使った調理をすると、これらの吸収率を高めることができます!

ビタミンEは自らが酸化すると効力を失ってしまいますが、

ビタミンCはその効力を再び活性化させることができるので、ビタミンEとビタミンCを一緒に摂取することで、

ビタミンの相乗効果により、抗酸化作用の更なる向上が期待できます。

 

パプリカはピーマンのような青臭さや苦みがなく、甘くて、肉厚で食感がジューシーなので、

ラタトゥイユのような煮込み料理の他、サラダなどの生食にも向いています。

先程紹介したグヤーシュ以外にも、ハンガリー料理の多くにはパプリカが使われているので、是非調べてみてくださいね!

 

 

写真のパプリカは、徳島県の井口さんが作られているパプリカです。井口さんは果菜類の栽培では、国内有数の名人です。

丸っとしていて形がとても可愛らしいですよね!

甘みがあり、皮も口に残らないので生でも美味しくいただけます。

  

 

7月にfunでは「パプリカレシピコンテスト」を開催しました!

レシピ集に入賞レシピを掲載しているのでチェックしてみてください?

https://funwestjapan.com/cate/%e3%83%91%e3%83%97%e3%83%aa%e3%82%ab%e3%82%

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皆さんも是非、パプリカ料理をお試しくださいね♪

 

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