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2020.06.15

6月の旬~野菜編~『枝豆』

6月も中旬になりましたね!
梅雨入りしたところもあり雨が降ってばかりですが、6月は水無月と言いますよね?!

「無」は連体助詞「の」を意味する「な」で、水無月は「水の月」という意味らしいですよ!

田植えが始まる季節でもあるので、「水張月」とも言われます。

 

さて汗ばむこの季節になると、ビールが美味しい季節なんですよね?

ビールと言えば・・・『枝豆』です!

ところで、この「枝豆」ですが、実は大豆と同じってご存知でしたか?

成熟した大豆の青く若い状態のものが、「枝豆」なんです。

 

豆は種子と同じなので、あの小さな粒の中には凄いエネルギーを蓄えられているんです。

特にこの枝豆は、豆と野菜の両方の栄養的利点を持った緑黄色野菜とも言えるスーパーベジタブル♪

「畑の肉」といわれる大豆同様、エネルギー、脂質、良質なたんぱく質が豊富なのはもちろん、

ビタミン類、食物繊維やカルシウム、鉄分など多くの栄養素を含んでいて、

大豆には少ないβ-カロテンやビタミンCを含むのが特徴です。

      

さて、ここからは管理栄養士を目指す立場として、栄養学的な面もお話しますね。

枝豆には「メチオニン」というものが多く含まれているのですが、

これは肝臓の働きを補助するアミノ酸の一種。

このメチオニンははビタミンB1、ビタミンCと共にアルコールの分解を促し、

肝機能の働きを助ける働きがあるので、二日酔いの予防につながると言われています。

だからビールのおつまみにもピッタリなんですね♪

 

さらに!もう一つの主役「カリウム」はナトリウムを排泄する役割があり、高血圧予防に効果が期待できます。

また、利尿作用もあるので、体内の水分量を調節し、むくみの解消にも効果的だと言われています。

そしてビタミンB1は消化液の分泌を促し、糖質を分解してエネルギーに変えるのを助けるので、

スタミナ不足の解消に効果があると言われています。

気温も上がり、蒸し暑くなるこの季節、夏バテ防止や疲労回復にはもってこいの食材ですね!
 

ここまで栄養学的な面をお伝えしてきましたが、

今回は、調理科学的な視点から、枝豆をもっと美味しく食べられる方法をご紹介します‼︎

「え?茹でるだけでしょ??」と思っている皆さん!

実は枝豆を美味しく食べるためには、茹で方に重要なポイント4つあるのです!

 

①塩分濃度4%の水で茹でる

人間の体液の塩分濃度は約0.8%で、この塩分濃度前後が誰にとっても近いほど美味しいと感じられやすくなります。

さて枝豆を茹でる場合、塩分濃度4%ということは、1Lの水に対して、40gの塩を入れるということですね。

あれ?これでは塩分が多過ぎるのでは…?と思われる方もいるかもしれませんが、

枝豆は「さや」と「薄皮」があるため、塩分が染み込みにくい構造になっています。

そのため、塩分濃度4%で茹でても、可食部には約1%未満の塩分しか含まれないため、ちょうど美味しく感じやすい塩分濃度になるのです!

この塩分濃度は「対比効果」も引き起こしています!対比効果とは、2種類の異なった味を混ぜ合わせた時に、

一方の味を強く感じる現象のことです。スイカに塩をかけると甘みが引き立つアレです!

この場合は枝豆に含まれる甘みが塩によって、より引き立てられるので、より甘みを感じられるようになるのです。

更に、塩分濃度が高くなると、沸点上昇が起こるので、塩分濃度4%では、沸点は101℃になります。

高温で茹でることにより、細胞が膨張するので、ぷりぷりの弾力性のある枝豆に仕上がるのです!
 
②水から茹でる

水から茹でることによって、急激な温度上昇を防ぐことができ、

でんぷん分解酵素の「アミラーゼ」が働きやすい温度帯を長く保つことができるからです。

酵素はタンパク質でできているため、約70℃になるとタンパク質が変性し、

酵素としての機能を失ってしまうので、いきなり沸騰している中に入れると、

アミラーゼが働かなくなってしまいます。

アミラーゼは40〜65℃の温度帯で最も働きやすくなるのですが、30度前後から働き始めます。

なので、アミラーゼが働く時間をできるだけ長くとってあげる為に水から茹でるのです。

アミラーゼが働くことにより、でんぷんを分解して甘味の元となる「マルトース」を生成し、これが枝豆の甘味につながるのです。

 ③沸騰してからも4分以上は茹でる

アミラーゼにも種類があって、枝豆には耐熱性のβ-アミラーゼが多く含まれています。

沸騰水中で枝豆の内部に熱が伝わると、澱粉粒に酵素β-アミラーゼが働き甘味を持つマルトースに分解されます。

これにより新たに約1%のマルトースが生成され、枝豆の甘味が増します! 
 
④茹で上がったらすぐに冷ます

余熱により熱が伝わってしまうので、すぐに冷蔵庫で冷ましましょう。

お寿司のご飯みたいに、ウチワで扇ぐのもGOODです!

冷ますことで、塩分が浸透し、甘味が増します。氷水につけてしまうと塩が抜けて、水っぽくなってしまうので避けましょう。

茹でた日に全部食べてしまわないで、

一部冷蔵庫において次の日に食べてみてください。甘みにコクが出て美味しさにビックリされると思います!

 是非この4つのポイントに注意して、枝豆を茹でててみください!

普段と一味違った枝豆が食べられるはずです♪

  

 

写真に写っているのは、

大阪府八尾市の「ゆうき農園」さんの枝豆です。

地域特産物マイスターにも認定されている枝豆作り名人として有名な結城さん。

そんな結城さんの作る枝豆はさやいっぱいに実が詰まっており、

完熟で収穫された枝豆は甘味と旨味が凝縮され、プリプリとした食感が最高です!

昨年の大阪サミットでは、各国首脳への手土産にも、結城さんの枝豆が使用されました。

「土の匠」として名高い、結城さんの枝豆を、是非皆さんも食べてみてくださいね!

 

 

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