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2020.11.17

11月の旬~果物編~『梨』

秋の味覚の代表といえば「」が有名ですね?

みずみずしさと、シャリシャリとした食感、そして甘さが特徴的ですよね!

梨といえば9月〜10月頃によく出回りますが、

実は、早生種は7月頃から出回り、晩生種では12月末頃まで食べられるのです。

梨には大きく分けると、和梨、中国梨、洋ナシの3種類があります。

中国梨はあまり普及せず、一部地方だけで生産されていますが、食感や味は和梨に近い梨です。

洋梨はラ・フランスやル・レクチェなどが有名ですよね!

 

和梨は果皮の色で大きく2つのタイプに分類されます。

幸水や新高梨に代表される皮の色が黄褐色の「赤梨系」と、

二十世紀梨や菊水に代表される色が淡黄緑色の「青梨系」です。

 

梨には150種ほど品種があり、品種ごとに収穫時期が分かれます。

早生種としては幸水が有名です。幸水は赤梨に分類され、果汁がたっぷりで甘味が強いのが特徴です。

肉質は緻密ですが柔らかさがあります。

二十世紀は中生種の代表品種で、青梨に分類されます。果肉はやわらかく、酸味と上品な甘みが特徴です。

愛宕は11月頃から店頭に並ぶ晩生種です。

果肉はやわらかめで、甘味と酸味があり、みずみずしい食感が味わえます。

 

梨の歴史は古く、日本では弥生時代くらいから食べられていたそうです。

梨には品種によっては長く保存できるものもあるため、

古代の梨は飢饉の時に人を救う「救荒作物」とされていました

江戸時代後半頃には保存食ではなく、甘くて美味しい「水菓子」として

多くの品種が栽培されるようになりました。

 

梨の名前の由来は、果肉が白い意味の「中白」や、

芯に近い果肉が酸っぱい意味の「中酢」から転じたと言われています。

 

梨の別名を「ありの実」と言うのはご存知でしょうか?

梨は「無し」に通じることから縁起の悪い言葉とし、「有りの実」と呼ぶ人もいるのです。

また、アリがたくさん木に登るほど果実が甘いので「ありの実」と言う説もあります。

 

しかし、逆に「無し」という意味を用いて、

盗難に遭わないように家の建材に梨を用いて「何も無し」としたり、

屋敷の鬼門の方向に梨の樹を植えて「鬼門無し」としたりと、

縁起を担いだという説もあります✨

 

梨は90%が水分で、栄養価はあまり高くないのですが、

ポリフェノールやアスパラギン酸など、体に嬉しい栄養素が含まれているのです!

 

では、梨の栄養素について、少し詳しく見ていきましょう?

今回は①ソルビトール、アスパラギン酸、ポリフェノール

に注目してご紹介します!

 

ソルビトール

ソルビトールは糖アルコールの一種です。

果物の中でも、梨はソルビトールが特に豊富に含まれているのです!

ソルビトールは、普通の砂糖と比較して血糖値の上昇が緩やかでカロリーも低く、

虫歯になりにくいという特徴があります。

そのため、梨は他の果物に比べるとエネルギーが低くなっています。

また、ソルビトールには優れた保湿力や清涼感があり、整腸作用や解熱、咳止めなどの効果も期待できます。

 

アスパラギン酸

アミノ酸の一つであるアスパラギン酸を含んでいます。

カリウムなどのミネラルを細胞に運んだり、体内に蓄積された有毒なアンモニアを体外へ出す働きがあります。

エネルギー代謝を促進し、タンパク質の合成を助ける働きがあるため、

体の疲労回復やデトックスに効果が期待できます。

 

ポリフェノール

強力な抗酸化作用があるポリフェノールも含まれています。

梨のポリフェノールにはアルブチン、クロロゲン酸などが含まれており、

これらのポリフェノールには、シミや肌の老化の原因となる体内の活性酸素を除去する働きがあり、

アンチエイジング効果が期待できます。

また、食後の血糖上昇の抑制効果、糖尿病の予防効果、

動脈硬化など生活習慣病の予防にも効果があると言われています。

 

アスパラギン酸やポリフェノールなど、梨の栄養素の多くは、実よりも皮の周辺部分に多く含まれています。

梨を食べる時は、普通は皮をむいて生のまま食べることが多いですが、

栄養素が密集してるのは皮の部分を捨ててしまうのはもったいないですよね。

皮ごと食べると、より効率的に梨の栄養素を摂取することができます!

皮の食感が気になってしまうので、皮つきのままスムージーにしたり、コンポートなど加熱して食べるのもオススメです!

さらに皮の周辺は糖度も高いので甘みを強く感じられるのです。

 

 

洋ナシは滑らかな食感をしていますが、それに対して和梨はざらざらとしていて、

シャリシャリとした食感をしていますよね。

この食感は果肉に含まれる「石細胞」によるものです。

石細胞は果肉の細胞にリグニンなどの物質が蓄積して、細胞の壁が厚くなったものです。

この石細胞は、まだ実が熟す前には種子のまわりに多くあり、

果肉を堅くすることで大切な種子を守る働きがあります。

実が熟すと、石細胞は果実全体に散らばるので、梨特有のザラザラとした食感を生んでいるのです。

そのため、和梨は海外で「サンドペア」と呼ばれているのです。

一方、西洋ナシの食感はネットリしているため、「バターペア」と呼ばれています。

 

 

実は、梨にはお肉を柔らかくする働きがあるのをご存知でしょうか?

梨にはタンパク質を分解する消化酵素のプロテアーゼが含まれています。

プロテアーゼはタンパク質に働きかけるので、

梨を調理に使うとお肉を柔らかくすることが出来るのです!

梨を刻んだり、すり下ろしたりして肉と一緒に密封できる袋などに入れておくだけで、

簡単に柔らかくなります?

よくお肉を柔らかくするために、パイナップルに漬けたりしますが、これと同じ原理です。

 

もちろん梨は生でそのまま食べると美味しいですが、

梨を使ったジューシーなお肉料理にもチャレンジしてみてください♪

 

果物によっては、少し放置して熟させた方が甘くなる果物もありますが、

梨は甘くなることがないので、鮮度の良い状態で買ったらすぐに食べることがおすすめです。

 

甘みは、種の周りとおしりの部分が強いそうです!

そのため、切る時は縦に切り分けることで甘い部分を均等に食べることができます。

 

梨は

①形がよく果皮に張りがあるもの

②重みがあるもの

③果皮に色ムラがなく、お尻がふっくらとして広いもの

が一般的に美味しいと言われています。

 

ぜひこれらの点に注目して、梨を選んでみてください!

だんだん寒い日が増えてきましたが、

秋の味覚を楽しんで、健康に過ごしましょう?

 

 

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